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2006GCSAA展示会

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本年のGCSAA展示会は?




                  
2006 GCSAAショー
Torrey Pines Municipal Golf Course
トーレパインズ・ムニシパル・ゴルフコース
Bridges Golf Club
ブリッジス・ゴルフクラブ


 当初,ニューオリンズで計画されていたがハ リケーン「カトリーナ」の影響で会場はヒューストンへ予定変更。そしてさらにアトランタに移動した今年のショー。 弊社社員 秋篠による出張レポートで す。


GCSAAショー

今年のGCSAA展示会はアトランタ。この時期の気候はほぼ東京と同じでちょっと肌寒い。本来は,観光地で行われることが多いGCSAAショーが決して気 候が良いと はいえないアトランタに移動してきたのだから,なにしろ巨大ハリケーン「カトリーナ」による被害は甚大である。

ジョージア州アトランタといえば,オリンピックの行われた地でもあり,アトランタ・ブレーブスの本拠地。コカコーラ本社やCNN本社もここにある。ゴルフ 場ではアトランタ・アスレチッククラブもこの地にあるし,オーガスタナショナルGCも同じジョージア州だ。だが,この時期はやはりイマイチで寒く,街の色 がくすんで見える。

GCSAAのセミナーには当然ながら世界トップクラスの講師陣が揃っている。CGCSの資格を維持するためには,毎年数単位を取得していないとならないの で,皆真剣である。今回も面白そうなトピックが並んでいる。一般の参加も可能なので英語の出来るキーパーには是非挑戦して頂きたい。ただ,ホットな話題の 講義に ついては早々に定員になってしまうので注意が必要だが。


会場の一部ではキャッチカンテストのデモ

各社のブースは「変なもの」が減ったという印象。私は今回の訪問で「変なもの」探すのが目的の一つだっただけにちょっと残念。機械関係もあまり特殊なもの がな く,全体に似ているものが多い。エアレーター関連は,ここ数年の研究成果から表層の数センチへの更新作業の効果へのこだわりが強くなったことが伺われる。 個別の商品への興味とはまた別に,こうした全体の傾向は,時代を色濃く反映していて面白い。

商品のプレゼンテーションは面白いものが多い。展示会場では似顔絵やパントマイム,手品といった方たちがブースを盛り上げている。もちろん,ショーのメイ ンは商品説明なのだが,こうしたイベントを楽しみにして来場している参加者も多いようだ。

この展示会は毎回趣向を凝らした工夫がなされているが,今回はトピックごとに大面積の会場が設けられており,河川環境の保護,グリーンの科学,ゴルフ場経 営,造成工事などのミニ講義が行われていた。会場内で会期中にグリーンを造成するという昨年のような派手さはないが,いくつかの講義を現場で見ることが出 来,好感が持てた。

また,有力各社が近隣のホテルなどでお客様に向けての朝食会,ランチミーティング,ディナーミーティングなどの各種のミーティングを行っている。もちろん ビジネスミーティングも盛んで同行の数名は朝から晩までミーティング漬けになっている。いつかは,ウチもGCSAAにブースを出したいなあ。

外資系の2大グループをはじめとして日本からの訪問者は多い。おそらく50名以上が来場しているのではないだろうか。これは良い傾向だと思う。そして,韓 国系・中国系の方たちも多く見かけた。さすがに韓国・中国は景気がいい。

私の持論は,ゴルフ場の集客競争は今後,アジア圏での国際競争になって行くだろうというもの。つまり,国内のゴルフ場同士が客を奪い合う現在の姿から,日 本のリゾートvs海外のリゾートという構図に変わってゆくのではないか。とくに経済的な国際競争力が低下してゆくと予想される将来,継続的に外貨を獲得で きる手段として観光をメインにしたゴルフリゾートへと国際直行便の発着する空港の近隣のゴルフ場・ホテル・観光を再編成することは重要になってくるはず。 その意味で,日本のゴルフ場のコース管理が世界標準に近づき,さらに追い抜こうという動きは歓迎するべきものだと思う。

各社ブースを回る途中,USGAのブースを訪れ本年の芝草セミナーの講師であるスタンリー・ゾンテック氏に挨拶。この人はUSGAで30年のコンサルティ ングを行っているキャ リアを誇る。担当地区は米国東部で米国でも最も芝草の研究が盛んな地域であり,米国の2万5000コースを傘下に置くUSGAのコンサルタントたちの中で も突出した存在である。

提示会場には大学のブースもある。本来は大学院などへの勧誘が主目的のはずだが,一方で有名大学のブースには卒業生たちが集まり歓談している。一種の同窓 会的な雰囲気なのだろう。アイオワ州立大のクリスチャンズ博士に挨拶。他に数名の大学教授に挨拶。

ティフトン農場のブースで昨年11月に95歳で亡くなられたグレン・バートン先生について話を聞く。1950年代から60年代にティフトン419,ティフ トン328,ティフドワーフ・といった品種を次々と発表し,最後まで現役だったこの人こそティフトンの生みの親である。その業績は世界の芝草に及んでお り,我々は絶対に忘れてはならない。博士はパールミレット(唐人稗)の育種でも世界的に有名で食糧生産に寄与している。

GCSAAの書籍コーナーは面白い。英文の芝草関連の書籍の現物を手に取れるのはほぼここだけ。見ているうちについつい欲しくなって,ふと気が付くと両手 に十冊以上も抱えていた。これはヤバイと本をそっと棚に戻して注文はWEBですることに。

GOLF20/20(ゴルフ・トゥエンティ・トゥエンティ)の成果紹介が各所で行われていた。GOLF20/20は米国のゴルフ関連団体が連携して行って いる大プロジェクトで,米国のゴルフ人口を3,500万人から5,000万人に,そして年間総ラウンド数を5億7000万ラウンドから,10億ラウンドに しようという巨大なもの。この目的のために様々なアンケートが行われ,その結果を元にターゲットを絞り込んでジュニアゴルファーの育成や女性ゴルファーの 増加などを目指している。日本でも各団体が連携してこうした取り組みをきちんと行ってゆくことが重要だと感じる。

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トーレパインズ・ムニシパル・ゴルフコース

せっかく米国に来たからには,展示会だけではもったいない。そこで,西海岸のカリフォルニアへ。ということで,サンディエゴのゴルフ場を見て回ろうという ことでトーレパインズへ。

ここは36ホール,海に面したサンディエゴ市の市営コース。1957年オープン。36ホール。設計はウイリアム・P・ベル,ウイリアム・F・ベルの親子 で, 2001年リース・ジョーンズによって南コースが改修され7607ヤードになっている。海際のホールはカリフォルニアの空気と相まって非常に美しい。

2008年にはサウスコースにUSオープンがやってくる。現在,コース全体をバーミューダグラス+ライグラスのオーバーシードからキクユグラスに草 種を変更中(!)。

グリーンはサウスコースがペンクロス,ノースコースはスズメノカタビラ。
現在のサウスコースのグリーンはペンクロスとスズメノカタビラ(雑草)の混合状態になっている。30%くらい入っているが,彼らはスズメノカタビラを受け 入れ るべきものと考えているようだ(方法はいくつかあるが,いまのところ確実にベント内のスズメノカタビラを消す方法がないということなのだろう)。

コースのメンテナンス・スタッフは36ホールで30名でフルタイム稼動。
ここはなんと女性のキーパーでキャンディス・コムスさん。半年前に同じくサンディエゴ市営 のコースから転任。日本でも関西に女性のキーパーが誕生したというが米国でもやはり珍しい。

このコースは毎年ビュイック・インビテーショナルが行われることで有名だが,今回の訪問は その直後のタイミング。36ホールで年間9万人ほどのラウンド数という。休場日は月に1日程度で,ビュイック・インビテーショ ナルの開催時も3日間の休場だけで開催していることは注目に値する。

こうしたトーナメントが公営のコースで開催されるのは,プライベートコースではトーナメン トよりも自分たちがプレーを楽しみたいといううるさ型のメンバーから苦情が出るためというが,この内情はどうなのだろうか。

ショップで激レアアイテム,2008年USオープンのキャップをゲット。もう出てるのか(笑)



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ブリッジス・ゴルフクラ ブ


山間部に位置する美しいプライベート・コース。1997年ロバート・トレント・ジョーンズJr.によって設計され,1999年オープン。コテージ(別荘な のか通常の住居なのか・・・?)が 併設されおり,コテージからコースが眺められるようになっている。ラウンド数は年間2万ラウンド程度という。

このコースの素晴らしいところは徹底してリゾートを感じされるようにしているところ。コース各所に花が配置され,橋梁などはわざと古めかしく作ってある。
ティの入口は完全なもので全く擦り切れておらず,芝が垂直に切ってある。そして・・・ティへの歩経路にはなんとホウキ目が立ててある(これは毎日掃いて目 を出しているってことだ!)。


ホウキの掃き目が見えるティへの歩経路

コーススタッフは造園関係も含めて32名。毎週月曜日は休場で年間2万ラウンド。新設コースで,こんなビジネスモデルが成立することが米国らしい。

ここのグリーンはG6。新品種らしいクオリティに仕上がっている。やはりサッチの集積が速いのが問題になっているようで,数ホールでエアレーションを実施 中。中に中央に大きな凹みがあるグリーンがあり,水が溜まらないのかと聞いたが,全く雨が降らないので 大きな問題はなく,年間降雨量は150mm(日本の1/20だ!)あまりだという。

こうした雨の降らない地域では塩害が問題になる。古代文明が滅びた理由の有力な学説として過灌漑による塩害が挙げられるのはこうした気象条件が前提にある のだと思う。日本で塩害の話を聞いてもあまりピンとこないが,ここでは酷い状況になる。上記のトーレパインズでも草種転換の理由は,乾燥への抵抗性と塩害 対応と言っていたように思う。

グリーン上でシバオサゾウムシ(=ハンティング・ビルバッグ)を発見(いや,もしかするとブルーグラス・ビルバッグかも)して,しばし議論。

日本でよく見かけるシバオサゾウムシは芝を食害するゾウムシ類の4種類のうちの一つ。こちらでもネオニコチノイド系の殺虫剤が出てから防除はかなり楽に なっているようだが,ベントでも生存する小さな幼虫のタイプが日本に入ってくると厄介なことになるだろうなと思う。

フェアウエイとラフはティフウエイU。さすがにこの時期は休眠中。この日のラフにはフローズン・インジュアリー(霜害)が発生していた。2月に日中は 25℃以上になるようなここでも夜は寒いのか・・・。

芝生そのものは日本のコースも負けてはいない・・・どころか,日本のコースのほうが美しい場合も多い。しかし,こうしたリゾート気分を満喫させてくれる コース,美しさへの徹底したこだわりは米国のリゾートならではのものがある。


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最後に

今回の訪問でのサンディエゴ市内や米国西海岸の市外の美しさは目に眩しく,広さと空気の透明さが心地良い。風光明媚というのが実感できる。緑を仕事とする 一人として,いつか日本でも こうした市街を作れたらと思えるものだった。

最後に,今回のサンディエゴ訪問の案内役を買って出てくれたPACE芝草研究所のウエンディ・ガレンター博士,ラリー・ストウェル博士のお二人に感謝した い。(秋篠)

以上
(2006/3/25)

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