東洋グリーン技術資料

早い萌芽を約束する

晩 秋 期 施 肥

晩秋期施肥は貯蔵養分の蓄積を促進し、

緑色期間の延長と早い萌芽をお約束します

◆晩秋期施肥の理論

 芝草の管理を根の伸長という視点から捉えた場合、 根の生育時期と地上部の生育時期とはズレが生じています。これは、地温と気温の変化の仕方が大きく異なることが理由ですが、この性質を利用して晩秋期施肥 という考え方が生まれてきました。

冬に向かって気温が徐々に下がってゆくと、芝草の地 上部は伸長を停止します。しかしながら、この時期でも地温は気温に比べて高いため、葉は緑を保っており、根は旺盛に伸長しています。こうした根の伸長期は 芝草が貯蔵養分を蓄積する期間にあたります。春になって気温が上がってくると、この時期に蓄積した貯蔵養分を使って萌芽が行われるわけです。

そこで、地上部が伸長を停止した時に施肥を行うとど うなるでしょうか? この時期の施肥は見掛けの地上部生育がないようにみえても光合成能力を高め、炭水化物の生産を増大させ、冬期および春期に望ましい葉色が維持されるので す。

晩秋期施肥はこのような理論的根拠の上に成り立って います。

◆晩秋期施肥の利点と欠点

晩秋期施肥の長短は以下のようなものです。

利点:

欠点:

◆晩秋期施肥実施のタイミング

 実際に晩秋期施肥を行なう場合には、いくつか注意 する点がありますが、その第一はタイミングです。

 晩秋期施肥では地上部が伸長を停止する時期に施肥 を行います。バーミューダグラスの場合には日平均気温(1日の最高気温と最低気温の平均)が15℃以下になってか ら3〜5日が適期です。ノシバ、コウライシバについては正確なデータは出されていませんが、ノシバで14℃、コウライシバで12℃が目安です。

 寒地型芝草の場合には、日平均気温が10℃以下になってから3〜5日が適期です。  

根の伸長は、この時期から非常に旺盛になり、霜が降 りるまで続きます。ただし、この時期と霜の降りる時期との間があまりにも短いと晩秋期施肥は効力を発揮できませんので注意して下さい。この期間は約2週間 が必要です。

逆にあまり早い時期に多量の施肥を行なうと、地上部 の過剰な生育となって根への養分の分配が抑制され、貯蔵養分の蓄積にとって逆効果となりかねませんので注意が必要です。

◆晩秋期施肥の施肥量

 それでは晩秋期施肥にはどの程度の施肥量が望まし いのでしょうか?

 晩秋期の根の伸長は、窒素施用量に応じて増加しま すが、過剰の窒素施用は地上部の生育を刺激して、地下部(根)の伸長を抑制することとなり、植物のエネルギー源で ある貯蔵炭水化物の蓄積を妨げる結果となります。

窒素成分として速効性肥料で1.5gN/u程度、緩効性肥料で5gN/u程度が目安となっています。カリウムは窒素の1/2〜同量、リン酸は冬期に P/K比が増大すると低温ストレスに弱くなるため全くないか、ごく僅かで良いでしょう。

また、同時に鉄を50〜100mg/u程度与えると葉色の維持に貢献し、耐寒性を増加させます。

◆晩秋期施肥の方法マニュアル

気温のチェック

日の最高気温と最低気温を記録 し、2つの平均値を取ってグラフにする。過去数年分のものを参考にすると良い。降霜の時期(気温グラフが急激に下 がる)を把握して、2週間以上の余裕がある事を確認する。

日平均気温が下記の温度になっ てから3〜5日後に施肥を実施する。

◆施肥量(成分)

◆肥料の組み合わせ例

  1. 粒状肥料のみで行う場合(ティーグラウンド・スポーツターフなどに)
  2. 液肥のみで行う場合(グリーン・スポーツターフ など)
  3. 粒状肥料・液肥の組み合わせ(グリーン・ティーグラウンド・スポーツ ターフ)
  4. 速効性肥料での施用(早い時期の葉色維持が重要な場合)

◆各肥料の特徴/散布方法

ティータイム・スリーシーズン / プレミアム メンテナンス

グリーンやティーグラウンド、競技場ターフへの粒状 肥料として理想的な砂と同様の粒径を持った肥料です。成分の配合比率・溶出期間もNUTRALANE(ウレアホル ム)で緩効性を持たせ、芝の生育を十分に考慮したものとなっています。肥効は3ヶ月から4ヶ月程度持続します。また、加水分解と微生物分解の2通りの分解 過程をもち、肥料成分が翌年に持ち越されるキャリーオーバー現象がありません。溶出はプレミアムメンテナンスがより高い緩効度を持っています。

 ゴルフ場のグリーンおよびティーグラウンド、競技 場ターフを対象にブロード式の散布機で1回に5〜10g/uでクロス散布法または1/2オーバーラップ散布法で散 布して下さい。

成分:16- 6-17+Fe/19-3-19+Fe 規格:22.5kg(50ポンド) 

グロースプロダクト The クラシック 18-3-6

 芝のバランスを考えた肥料です。環境変化への抵抗 力を高めるカリウムを多く配合し、グリーンアップを促す鉄を含んでいます。メチレン尿素による緩効性窒素を含み、効果は長く持続します。

施用量5〜10cc/ u、希釈水量500〜1000ccで散布して下さい。グロースプロダクトTheクラシックは他の液肥に比べてグリーンアップ効果が高く、窒素成分の50% がメチレン尿素なので効果が長続きします。この時期であれば、葉色のピークは施肥10日後程度で、20日を過ぎた頃から徐々に色あせてゆきます。肥効は約 30日持続します。

また、ほとんどの殺菌剤との混合散布が可能ですが、 酸性の強いものとの混合は沈殿を生じる恐れがありますので避けて下さい。

成分:18- 3-6+キレート鉄 規格:10L×2 

フェ ロメック

 ベントグラスのグリーンアップに最適です。短期間 で芝の生長量の急激な増加をさせないで、緑色を出すことが出来ます。

 1000 倍から500倍で1〜5cc/uを撒布してください。フェロメックは速効的に芝を緑化しますが、この時期によってはやや時間がかかる場合があります。ま た、色はやや暗緑色味が強く出る傾向があります。

成分:15- 0-0+イオウ4%+鉄6% 規格:9L×2 

シェ イプアップ

 水に溶けやすく速効性の弱アルカリ苦土入りカリ肥 料です。炭酸ガスを含み、炭酸同化作用を促進し、また、重炭酸イオンが難溶化した肥料成分を有効化します。葉・茎が丈夫になり耐病性が高まります。

2.5〜5.0g/uで 水量1L/u(400〜200倍)で散布して下さい。茎葉の軟弱化を防ぎます。酸性肥料との同時散布・混合散布はアンモニアガスの発生原因となりますので 避けて下さい。

成分:0-0 -26-10 規格:2.5kg×8


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2008/2/14