NEWSLETTER ON TURF SEED No.4

今年のUSオープンも終了し、Dr. Hurleyより来年以降の開催地での準備状況のレポートが届いていますので紹介します。さらにクロップサイエンスの2001年5-6月号に掲載されたTexas A&M 大学の研究レポートについても解説記事を寄稿いただきましたので掲載します。  

1 来年以降のトーナメント開催地では・・・(新品種の海外実績)

ニューヨーク近郊のBethpageでは2002年のUSオープンが開催されます。ここではすでにフェアウエイにPalmerVを播種してトーナメント開催の準備をしています。グリーンは100%・スズメノカタビラですが、全てのグリーンのエプロンには100%・L-93のソッドが使用されています。

2003年のUSオープンはシカゴ近郊のOlympia Fields Golf Clubで開催されます。ここのグリーンは2年前に全面的に改修され、100%・L-93の播種によって再造成されています。

スコットランドにあるLoch Loamond Golf Clubでは、この冬以降グリーンを改修し100%・L-93のソッドが張られました。Loch Loamond Golf Clubではヨーロッパ・プロゴルフツアーのために準備をすすめています。

2 「クリーピングベントグラスの品種ブレンドにおけるダラースポット抵抗性」:研究要旨

この研究は、ダラースポット(Sclerotinia homoeocarpa)に対するクリーピングベントグラスの品種ブレンドの効果を明らかにすることを目的として実施されました。Penn A-4,Crenshaw,L-93,Mariner,ペンクロスが、単一品種や2種混合・3種混合で植付けられました。

単一品種の比較では、L-93が最もダラースポットに対して抵抗性が高く、Crenshawが最も感受性が高く感染しやすい品種でした。種子ブレンドとしての使用では、Crenshawがダラースポット発生を増やしたにもかかわらず、L-93がダラースポット発生を抑制しました。ペンクロス, Penn A-4, Marinerの入った全てのブレンドの組み合わせでは、ダラースポットの発生に対する影響はありませんでした。

このデータは抵抗性品種と抵抗性の低い品種との混合が、ブレンドされた集団のダラースポットの被害程度を軽減することを示しています。研究者がこの研究から得た知見は、ペンクロスとCrenshawのブレンドは営業上容認できない程ダラースポットの被害があるが、一方でL-93とCrenshawのブレンドは、Crenshaw単一品種と比較しても実質的にダラースポットの発生を抑えるということです。この研究で得た知見のように、品種の混合によるダラースポットの抑制程度によっては、殺菌剤処理を抑える事ができることにつながります。

品種の混合播種の結果として、抵抗性の低いCrenshawを抵抗性の高いL-93とブレンドすることにより、Crenshaw単一品種と比較した場合、実質的にダラースポットの発生を減らしました。

Dr. Rich Hurley 2001年6月28日、東洋グリーン(株)芝種子コンサルタント)

3 新品種の使用と管理

  1. L-93:コウライグリーンのベント化
    2001年5月上旬播種、7月下旬の使用開始予定で養生中です。コウライ消しのための除草剤散布から播種までの間隔、発芽初期養生過程での殺菌剤処理に注意しています。(那須チサンGC 田淵キーパー)
  2. L-93:ペンクロスへのインターシード
    すでに2回実施、2001年秋に3回目のインターシード実施を予定。春播種より秋播種の方が、バーチより播種前のコアリングが、個体の定着は良い様です。インターシードによりペンクロスベースであってもよりアップライトな生育傾向が見られ、パッティングクオリティーが向上しました。(ザ・グリーンブライヤー・ウエストヴィレッジ 林キーパー)

(東洋グリーン(株) 松井(ロジスティック本部),今田(研究開発部))


  

01/07/18