豪雨に負けないバンカー最新技術

豪雨にあった後のゴルフ場です

キャピラリーコンクリートが台風後のコース復旧作業の手間を大幅に削減!

相次ぐゲリラ豪雨と台風による甚大な被害

 今年もゲリラ豪雨や台風の季節となりました。既に幾度も全国各地で大きな被害が出たとの報道を目にしています。被災された地域の皆さまには心よりお見舞い申し上げます。
 関東地域でも8月に入り立て続けにゲリラ豪雨や台風が到来し、弊社がコース管理を行っている数か所のゴルフ場でも甚大な被害を受けました。コース内では幾つもの樹木が倒れ、枝葉が散乱、土止めの枕木が崩壊したゴルフ場もあります。

コース内のいたるところで倒木がカート道路をふさいでいます。

基盤とバンカー砂の間に敷設していた砂流防止のための不織布も一緒に流されました。

バンカーは崩れて泥だらけの水溜りに・・・。8月初旬のゲリラ豪雨で全滅したバンカーの復旧作業がようやく終わったと思えば再び豪雨。そして8月22日には台風9号が関東に上陸。直しても直しても繰り返し崩壊するバンカーに、うんざりしているゴルフ場は全国でも少なくないはずです。

前日の豪雨でバンカーに溜まった水をポンプで吸い出しています。
でも、この翌日、台風9号による130mm強の降雨で再び水が溜まってしまいました(涙)。

スタッフは毎日コースの復旧作業に追われています。雨が上がって芝はぐんぐん伸び始めていますので刈込作業も進めなければなりません。弊社グリーンキーパー達の日報にもボヤキが混じるようになってきました。毎日メールで送られてくる日報を読むたびに、本当に胸が痛みます。どうかもう、被害をもたらすような台風や豪雨が来ませんように・・・。

バンカー被害を防ぐ強い味方

写真右奥のバンカーに注目!

さて、弊社が管理するゴルフ場には各コース1ホールずつキャピラリーコンクリートという特殊工法が施されたバンカーがあります。この工法は、雨によるバンカー法面砂の崩れ落ちを防止し、バンカー砂が土と混ざって汚れてしまうのを防ぎます。度重なる豪雨でコース内のバンカーが全滅する中、どのコースからも「キャピラリーコンクリートを施工したバンカーは全く崩れなかった」とキーパー達が写真を添えて日報を送ってくれました。

フェアウェイにも水が溜まり、あちこちのバンカーが崩れる中、写真右奥に見えるキャピラリーコンクリートを施工したバンカーは無傷で綺麗な砂の色を保っています!

ただ、1コース、1年半前に45度を超える傾斜のバンカーにキャピラリーコンクリートを施工した千葉県のゴルフ場では、施工以来初めてバンカーが崩れてしまいました。それでも、キャピラリーコンクリートを施工してあればバンカー砂と基盤の土が混ざることはないため、「豪雨の後バンカー内に溜まった水の引きも早く、砂上げも簡単に行えた。キャピラリーコンクリートのおかげで復旧作業の手間が大幅に削減できた」とキーパーから報告がありました。数々の甚大な被害報告の中で、少し嬉しい気持ちになれる知らせでした。
この夏キャピラリーコンクリートの効果を実感したコースは、冬場に他のバンカーにもキャピラリーコンクリートを施工するためにゴルフ場へ予算申請をすることになりました。

台風が過ぎ去れば再び猛暑の中の散水と刈込作業に追われる毎日となります。全国の芝生管理に携わっている皆さま、どうぞくれぐれもご無理などなさらないよう、ご自愛ください。