散歩が仕事

きのこ

ただ歩いているわけではなく、見落としがちなコースの不備などを見つけたり、発見した細々とした事を紹介しています。

散歩が仕事?

 初めてコラムを御覧になる方には、「何それ?」というタイトルでしょう。
これは、東洋グリーンのブログに不定期連載(?)していたものです。
ざっと、紹介させていただきましょう。
現場のグリーンキーパーは、芝の状態を見て、肥料をやったり、病虫害に対処したり、樹木の管理をしたり、備品や、設置物の破損などに素早く対応し、お客様からのクレームに応えたりと、まあ、色々とやらなくてはなりません。
 これを書いている私は、キーパーの時は、毎朝コースを歩いて、チェックしていました。
で、今はキーパー職を離れ、調査や、試験などを担当しているので、毎朝と言う訳には行きませんが、時間を見つけては、2-3のコースを歩くようにしています。
でも、そういう経緯を知らないスタッフなどからは、コースをプラプラとほっつき歩いている、暇そうなヤツだ、としか見えません。
 それで、ただ歩いているわけではなくて、見落としがちなコースの不備などを捜す、重要(?)な仕事なのだよと、啓蒙のために書き始めたと言うわけです。
ですが、都内の某ゴルフ場を歩いている時など、地価の高い、綺麗な環境の中を、貸切状態で、散歩(?)しているのに、給料まで貰っているのだから、何と言う贅沢!と思い、更に、普段なかなかお目にかかれない動植物と対面した時には、役得なんてものじゃありません。(仕事と言うより、趣味と言っても過言ではないようです。)
そういった、見たり感じたりしたことを、ざっくばらんに書いているのが、今回コラムに移籍(?)してきた、この文章です。従来の調子で書いているので、乱暴な奴だと思われるかもしれませんが、お許しを。

こちらは台風一過のゴルフ場の風景

今度はウバタマムシだ!

ウバタマムシ

 旧ブログで、「生きたタマムシを久しぶりに見た!」と書いた。
その同じ場所でウバタマムシを見つけた。撮影しようとすると、とことこ走るので、捕まえたら、コメツキムシみたいに動かなくなった。
「はい、じっとして・・・」とシャッターを切る。
今度はいつまでも動かない。で、ちょっと突いたら、飛んで行った。また、会おう。

ゴルフ場は自然破壊?

普段気づかない変化が大事

 ゴルフ場は自然破壊だとヤリ玉に上がって久しい。
先日、本棚から引っ張り出して読んだ鼎談、養老孟司氏、奥本大三郎氏、池田清彦氏の「三人寄れば虫の知恵」にも、ゴルフ場はヒドイと触れられている。出版されたのが1996年だから、しょうがないと言えばしょうがないのだけれど、誤解があるなあ。
 農薬を撒いて、動植物を根絶やしにしているわけではないのだけれど・・・。
(本は素晴らしい。虫の事から、文化、文明論などにも及んでいる。)
ゴルフ場で、やっと生き延びている動植物は沢山いるのだ。
田中敦夫氏が言われているように、時間が経つと、ゴルフ場が里山状態になって、自然保護の役目を果たしている。都心に近いゴルフ場を見れば、それが分かるはずだ。
 でも、一度押された烙印は、なかなか消えない。

殺菌剤プログラムの試験中

蟻の巣

で、タマムシのいた場所は、殺菌剤プログラムの試験をしているグリーンだ。
(グリーンの圃場の1画に試験区画を設けて、効果的な薬剤を試験し、比較→採用と言う具合に、毎年実施している。)
今年の経過だけれど、藻とイエロースポット(黄化斑?)で、顕著な結果が出ている。試験区によって、藻がほとんど出ないところがある。
また、試験区ではイエロースポットが発生しなかった。(試験区外では、満開状態)
うーん、興味深い。
 今年の結果をまとめて、来年用のプログラムを組まなくては。

蟻が、丸太に巣を作っている。たくましい。
キクラゲも、しぶとく成長している。
季節がら、キノコも元気だ。
人間だけが、アタフタしているのかもしれない。