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このコーナーでは芝草管理に役立ちそうな ちょっとした情報を紹介します。


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ドライスポットの話題 2題

コアリング時にはドライスポットが発見できるかも。

コアリングしたドライスポット部分

この2枚の写真は7月の初旬に某ゴルフ場のグリーンでコアリングを行ったときのもの。なんとなく白っぽく見えるのはドライスポット。コアリング時に観察す るとドライスポット部分は乾燥しているために,コアの崩れ方が違う。

ドライスポットはフェアリーリングと同じように担子菌が有機物を分解する過程によるもの。有機物の担子菌による分解と乾燥・湿潤という条件が重なると土壌 は撥水性を帯びるわけです。発生のしかたは不定形といっても、部分部分で発生した円形が融合したような感じになっています。

実際にここは散水が余りかからない部分であり、その後、解消のために、浸透剤散布とスプリンクラーの増設を行いました。


コアリングしたドライスポット(クローズアップ)

ちなみにこのドライスポットはよほど乾燥してこないと表面からはほとんど 分からない段階だったのだが、こうして見るとはっきり分かります。場所が把握できていればスポット処理も可能になるわけで、ちょうどこの後に浸透剤を処理 すれば、後半で述べるような事態も回避できそうです。
(秋篠)



表面は濡れていても・・・

深層部分にあるドライスポット

浸透剤処理時に効果を確実に上げるためには、穴あけが必要な場合があるこ とを示す写真が取れました。撮影したのは播種後3年程度のベントグリーンで、7月上旬、ドライスポットに手を焼いていました。

カップ切りで断面を観察した所、表面20mmほどのサッチ層はベトベトと湿った状態なのに、その下の砂はさらさら・からからに乾いており、水滴をたらして 見ると、サッチ層には染み込むものの、砂が乾いている部分は染み込まない典型的な撥水性土壌の状態になっていました。

もしやと思って聞いてみたところ、2週間ほど前に浸透剤を処理しているとのこと。この現場の場合、浸透剤が表面のサッチ層につかまってしまい、肝心の撥水 性の部分まで届いていなかったと考えられます。

また、切ったホールの側面に偶然一箇所、下の方まで浸透剤が広がっている場所があり、おそらくこれは、そこにあったコアリングの孔か何かを通って浸透剤 が、下層に達し、横に広がったものと考えられます。

ここから得られる教訓は2つ。
  1. 浸透剤処理後は、ターゲットの撥水砂層までちゃんと届いているか、かならず確認すること。届いていなければ症状は改善しない。届 いていない場合は水量が 足らないので、後散水を追加したり、雨天時の散布を行うなど工夫が必要。
  2. 表面のサッチ層で浸透剤が止まってしまう場合は、サッチ層が液相の高い異層(成層土という)を形成してしまっていて、スムーズに 下に水が染みない状態に なっている。このような場合はコアリング・スパイキング等で下の層まで通り道を あけてから処理すると、スムーズに下層まで届き、拡散する。孔の深さは問 題の層を貫通する深さが必要。
(木村)


補足:
  • このグリーンは80年代に開発されたベントグラス品種。サンドグリーン+ニューベントで造成後日が浅いと、このようにまっさらな 砂の上に濃いサッチ層が形成される傾向あり、特に注意が必要。
  • サッチ層の厚みが薄い場合は、浅いスパイキングだけでも効くはず。
  • 使用した浸透剤はティルワと同等剤。孔の直下から横への広がりは、材の性能が高いことを証明している。
  • このグリーンでも処理後散水はしていた。しかし風が強い場所にあるため、他のグリーンに比べて投下水量が少なく、さらに乾きやす い条件のため、結果的に水量不足となったと考えられる。
(木村)
  • ドライスポット対応時に必要な処理後散水の水量は、最低でもドライスポット最深部の1/2の水量が必要。たとえば、地表下30- 50mmがドライスポット化していれば、25mm以上の散水を行って欲しい。
  • これは三相分布を考えて固相を除いた液相と気相を足せばほぼ50%前後になることから、この両者を新しい水で満たしてやることが ターフの回復に有効であるから。
  • 乾燥したドライスポット部分の土壌水分は約3%程度であり,これは通常乾燥させた場合よりも乾いた状態である。こうして乾燥して しまった部分では毛管連絡が途切れている。また,分解された有機物が砂の表面にドロドロになってまとわり付いている。十分な水が無ければ薄まるだけで排出 はされない。
  • 浸透剤施用時に十分な処理後散水が必要であるという根拠は液相と気相を一度満たしてから自然排水することで、切 断された毛管連絡を復元するためと液相に残った分解途中にあるゲル化した有機物をある程度流し落とすことを目的としている。
  • こうした大水量の処理は実際にはなかなか行えないかもしれない。しかし、前半のようにドライスポットの発生箇所を特定することで グリーン全面ではなく、 据え置き型の小型スプリンクラー(スミシャワー)や穴開きホース(スミレイン)などを利用すれば十分に対応可能になるだろう。
(秋篠)

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(2005/8/1)

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