国内外で高まる「DC-1」の評価
南京農業大学で進む「DC-1」の研究を見学してきました!
「DC-1」と「962」 暑さに強い品種ツートップ
南京農業大学の教授ヤン博士の研究室では、ラートガース大学のハン博士の指導の下でベントグラスの耐暑性や旱魃抵抗性、耐塩性の生理に関する研究を行なっています。中国南部の水質や水源確保において水事情はアメリカと似ているため、ベントグリーンの維持管理にとってこれらの研究テーマが重要とのことです。
圃場で抵抗性が高いと評価された品種・系統は、品種改良に利用される他、抵抗性のメカニズムを解明する研究が進められることになっています。
ヤン博士によると、南京の夏の気候は気温が40℃を超えることがあり、さらに日本より雨が少なく乾燥しているそうです。
このような条件で、日本から東洋グリーが送った「DC-1」と「962」が越夏性に優れる品種ツートップに評価されたのは注目すべき結果です。日本の夏越しに着目して開発した「DC-1」の性能が、南京でも証明されたことになります。
暑さと旱魃にさらされたベントグラスの品種・系統(中国江蘇省南京)
南部に適する芝草の系統・生態種の収集
バミューダグラスの生態種のコレクション
中国では国の事業による再開発で広大な芝生地が造成されています。このような背景から各地域に適する芝生の系統や生態種を収集して、品種改良によって適応できる品種を開発することが急がれています。
広大な芝生地の維持管理は万国共通の課題
雑草防除の研究圃場(暖地型芝草)
再開発で生まれた広大な芝生地の維持管理は近年大きな課題となっています。ノシバとバミューダグラス、シーショアパスパラム、センチピードグラスなどのターフで、雑草防除方法の研究が行なわれています。
芝生地の床構造の研究
床土構造の比較研究圃場
床土壌の砂と土の比率の違いなどが、芝生の栽培品質に与える影響を研究しています。水の確保が制限される栽培環境で、芝生に適する土壌を探る研究がされています。
再開発で生まれる芝生地の意匠
数百メートル続く進入路の中央の植栽帯ではウインターオーバーシードの研究が行なわれています。実際の公園やグラウンドと同等の規模の芝生を使った比較試験が行われ、日本の主要都市にある大通公園と同程度の規模の試験圃場が造成され芝生の研究がされています。
南京農業大学は、中国の芝生の研究機関では最大規模の圃場を所有しているそうです。
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南京農業大学入口
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広大さが分かる進入路