緑の芝生、白いライン!!

ライン引きについて

サッカー、ラグビーのテレビ中継でよく目にするピッチのライン、まっすぐですよねぇ。

私を見つめる2歳児の視線くらいにまっすぐです(笑)。

このまっすぐなラインを規格通りに引くことも我々芝生管理者の仕事の1つでもあります。

今回はサッカー場やラグビー場のライン引きについて少々触れてみたいと思います。

昔は。

皆さんも運動会などで白線を引く機会があると思いますが、おそらく石灰を使用していると思います。

サッカー場やラグビー場も昔は石灰を使用していました。しかし現在では芝生にも環境にもやさしい水性ペイントを使用しております。

聞くところによるとJリーグの開幕の頃まではまだ石灰の白線だったとか。25年の間に芝生管理技術と共にラインの質も進化しているんですねぇ。

ん、25年!?Jリーグが開幕してもう25年も経ってしまったのですか、開幕当時筆者小学6年。時の流れを感じる今日この頃です。

新ラインカー

近年ではラインカーのクオリティも進化!

おそらく紐をビューーンと引っ張って直線を作り、ラインカーをコロコロと転がすというやり方が一般的かと思います。しかし、私の使用しているラインカーは紐を引っ張りません。紐の代わりに“レーザービーム”を放射します。

赤いレーザーで直線を作り、ラインカーがレーザーを受光。レーザーに誘導されながらまっすぐな線が引けるのです!!オペレーターが二日酔いで曲がって歩いてしまっても20㎝まではアームが伸び縮みしてまっすぐを維持してくれるのです。

いまいちよくわかんねぇという方はHP内、商品情報「ビームライダー」をご覧ください。

この他にもラインカーは日進月歩で進化しておりGPSを搭載した完全なるロボットラインカーなども開発されているようです。このロボットだとピッチ1面約20分で引き終わってしまうとのこと。ラインカーの進化、半端ない。

引いたり、消したり、消したり、引いたり

サッカーとラグビーのラインは当然違います。競技場によってはサッカーをやって次の日ラグビーなんてところもあるんです。そんな時はどうするか??

そうです!緑で白を上塗りして消しちゃうんです。とはいっても自然の緑に同化させるのは難しく完全には消えないというのが本音です。たま~に薄っすら違う競技のラインが残っているのを見る機会があると思います。それがこの上塗りシステムなんです。

他にもあらかじめ消えやすいペイントを使用しリムーバーと呼ばれる溶剤を塗って水で洗い落してしまうなんて方法もあります。 ラインを引くだけではなく、時にはラインを消すことも我々の仕事なんです。

芝地から競技場へ

ライン引きという作業は競技に直接的に結びつきます。ライン無しでは試合は成り立ちません。この作業が完了することで初めて緑の芝地が競技場となるのです。精魂込めて育ててきた芝地に命を吹き込む瞬間と私は思っております。

今後テレビやスタジアムで試合を観戦する際には白いラインにほんの少し目を向けてみるのも面白いのではないでしょうか。

最後に恒例となりました"なぞかけ"で締めさせていただきたいと思います。
「芝生」とかけまして「白いライン」と解きます。 
その心は、、、、みどりに「はえます」。。

ご高覧いただきありがとうございました。