クオリティ調査で一歩先の品質へ

スポーツターフのクオリティ調査…どのような項目が思い浮かびますか?

クオリティ調査、というとゴルフ場関係者であれば、グリーンスピードやコンパクション、グラウンド関係者であればボールの弾み具合や転がり測定など、多かれ少なかれ馴染みがあるのではないでしょうか。

そのほか芝生の水捌けやトラクション(牽引力)の強さなども一般的なクオリティ調査の項目です。

これらはプレーに直接影響する項目なので、プレイヤーも管理者も気になるところ…ではないでしょうか。

調査方法今昔

ボールの弾み具合の測定風景です。

以前は左の写真のように3mからの落下高さの測定でした。今は右の写真のように2mからの落下高さに変更され、空気圧の調整方法なども変更されています。

芝生の管理作業も日々研究・改良かと思いますが調査方法も改良され続けています。

プレーイングクオリティと安全性

近年のグラウンドのクオリティ調査は上に挙げたようなプレーに直接影響する項目だけでなく、〈安全性〉に重きを置いた項目が増えています。そのひとつが《HIC》です。

HICとはhead injury criterionの略称で、日本語では頭部損傷基準値と呼ばれています。これはプレー中に転倒した時の頭部損傷のリスクを測定する調査で、ラグビーをプレーするグラウンドで測定されるようになりました。一般には遊具の落下面での試験に使用されています。

もちろん、スポーツターフでの安全性は、調査項目をクリアしたから大丈夫!とはいきません。

HIC測定風景。4.6kgのヘッドモデルを落下させて測定します。弊社で使用しているのはブルートゥースでスマホと連携させるコンパクトなもの。

安全なプレーのために芝生管理者がすべきこと

話は変わりますが、今夏、「クオリティ調査に基づく管理」をトピックに社内勉強会が開催されました。

そこで、グラウンド管理社員より以下のような話題がでました。

一般的なクオリティ調査には基準値や調査方法が定められており、芝生の状態を客観的に認識し、共有するのに役立ちます。

ただ、それだけでなく日々の中でも、肥培管理や更新作業がクオリティにどのような影響を与えたかを芝生の状態を見て考察し、加えて利用者とのコミュニケーションからも、求められているクオリティを知る必要があります。ちなみに…先述の社員は自分でスパイクを履いて管理場でプレーしてみているそうです。

早いもので今年も残りわずかとなりました。2019年は日々の管理にクオリティ調査を取り入れて一歩先の品質を目指してみませんか?

弊社では各種クオリティ調査や土壌調査、日照調査などをお受けしています。現況のクオリティを把握したい、クオリティが改善しない、というときはご相談ください。