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☆気温の乱高下の続いた4月ですが・・・目標値を『春』に切り替えます。

2019.05.07

今年は3月初旬は暖かな日が多く、東京では桜が平年より5日も早く開花。ところが、そのあと寒が戻り、ほぼ1か月間、花が散らずに残りました。 

この寒の戻りは関東だけではなく、金沢では桜の開花宣言の翌日の4月2日に雪。「桜に雪」の風景は21年ぶりだそうです。4月中旬からは温度も上がり、北海道では4月17日に沖縄より暖かい25℃以上の夏日を記録。ところがその翌々日には一転して15℃以上低い温度にと、各地で温度の乱高下が続きました。

こう言った気温の乱高下に、さすがに植物は「低温順化」を解かなかったようです。以前(Weekly 269~271)ご紹介したように、冬の初めに植物体内で起きる「低温順化」は、細胞が低温で凍結したりしないようになど、様々な「低温への備え」が進む現象です。

春先の一時的な暖かさでこの順化を解いて(=脱順化)しまうと、目覚めたばかりの若芽が、遅霜などの大きなダメージを受ける危険があります。今年の春は、どの植物も「う~ん、低温順化を解こうかなぁ、まだやめとこうかなぁ」と迷っていたのかもしれません。

ベントグラス葉身分析の全国平均値を見ても、なかなか春らしい値にならず、「窒素が低くフルクタンが高い」という休眠状態に近い値が続いていました。リンは3月上旬からジワジワ上がって来ていたので、根の活性が上がってきているのは読めていたのですが、地下部だけでなく地上部も本格的に動き出す『春』の状態には、なかなか入らなかったようです。それでも4月第4週に採取されたサンプルから、動きが明確になってきました。 4月22日付で、目標値を『春』に切り替えます。ほぼ例年と同時期の切り替えです。

温度が適温まで上がり、地上部が本格的に動き出して新たな芽や葉が旺盛に作られるとともに、光合成速度も急激に上がるこの時期。豊富な炭水化物を無駄に葉の伸びに費やすのではなく、夏に備えた若く元気な植物体を形成し、あわせて土壌の問題を矯正しておくことが管理のポイントになります。

葉身分析値と現場での植物や土壌の状態観察を元に、適切な肥培管理・耕種管理を行なってください。 そういった、この時期特有の管理の主眼は、「ベントグリーンを夏越しさせる9つのステップ」の『STEP 2 春』をご参考ください。