ベントグリーン管理とおすすめ資材〈8月〉

7月19日、全国で梅雨が明けました。いよいよ夏本番です。平年よりもやや早く、昨年よりは2週間ほど早い梅雨明けで、昨年より長く厳しい夏が予想されます。
貯蔵養分は、萌芽や夏越し・更新作業の回復など、光合成が足りない時のエネルギーとして利用されます。ベントグラスの貯蔵養分(フルクタン:まさかの時の備え・貯金)の維持は、「ベントグラスの夏越し」に重要です。
フルクタン含量の維持=ベント夏越しの鍵
ベントグラス管理の目標
「高温による光合成の低下・根の活性低下を最小限に留め。暑い夏が過ぎ去るまでベントグラスを維持する」が管理の目標となります
ベントグラス管理の注意点
・高温のため葉の光合成が低下する反面、呼吸が高まり炭水化物の収支が悪化します。
⇒フルクタンの減少が加速し、最小値に近づく
・炭水化物の欠乏による根への養分供給の低下、
地温上昇による根の生育停止により根活性が低下します。
・梅雨明け後の環境変化に順応できず、カリウムの吸収が低下しストレスに弱くなります。
・芝草の基礎体力が低下し、病気の発生リスクが高まります。
・乾燥害とともに、過散水・ゲリラ豪雨による土壌通気性・透水性の低下、
藻の発生やウェットウィルトに注意が必要です。
ベントグラス管理のポイントとおすすめ資材

光合成の低下を抑え、フルクタン含量を維持します。
・葉身中の窒素レベルを最適化(=5%を超えない)
⇒必要に応じて緩効性液肥クラシック
・葉身中のP・Kを高く保つと、フルクタンが維持され
(炭水化物収支の改善)ストレス耐性が強化される
⇒TKOフォスファイト、シェイプアップ等
・マグネシウム・鉄・微量要素など光合成関連要素の補給、
サイトカイニン剤(海藻エキス)による葉の活性維持
⇒ZEN、シェイプアップ、マイナーズ、ユニレイト等
・根活性の低下を抑え根量の維持
⇒TKOフォスファイト、ルートアクト等
・風通し・日当たりの悪いグリーンでは環境を改善する
⇒グリーンキープファン
⇒ZEN・アミノレスキュー・マイナーズ・ルートアクト
病害対策は予防を基本にして、ストレスガード製剤を活用します。
・TG殺菌剤プログラムの活用(ピシウムの混合感染に注意)
・ピシウム剤は数種類の殺菌剤をローテーション使用(炭疽剤はピシウム剤との混用処理)
薬害リスクの低い浸透剤トーナメントレディの少量定期処理で、ドライスポットを予防し土壌表面をさらっと保ちます。
スキーポンターフを定期的に処理して高温・乾燥害を軽減します。
秋の気配が漂い始めたら夏のダメージからの回復を促します。
⇒クラシック・TKOフォスファイト・DG Kプラス等
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