ベントグリーン管理とおすすめ資材〈夏〉
関東では6月6日に梅雨入りとなりましたが、6月27日には早くも梅雨明けが発表されました(観測史上最速)。東北を除く各地でも梅雨が明け、多くの地域で猛暑日となっています。
異例の早さの梅雨明け、連日の猛暑・・・、早くもベントグラスの管理にとって最も過酷な夏が到来しました。今夏は例年よりも長く厳しい猛暑が予想されています。
貯蔵養分は、萌芽や夏越し・更新作業の回復など、光合成が足りない時のエネルギーとして利用されます。ベントグラスの貯蔵養分(フルクタン:まさかの時の備え・貯金)の維持は、「ベントグラスの夏越し」に重要です。
フルクタン含量の維持=ベント夏越しの鍵
ベントグラス管理の目標
「高温による光合成の低下・根の活性低下を最小限に留め。暑い夏が過ぎ去るまでベントグラスを維持する」が管理の目標となります
ベントグラス管理の注意点
・高温のため葉の光合成が低下する反面、呼吸が高まり炭水化物の収支が悪化します。
⇒フルクタンの減少が加速し、最小値に近づく
・炭水化物の欠乏による根への養分供給の低下、
地温上昇による根の生育停止により根活性が低下します。
・梅雨明け後の環境変化に順応できず、カリウムの吸収が低下しストレスに弱くなります。
・芝草の基礎体力が低下し、病気の発生リスクが高まります。
・乾燥害とともに、過散水・ゲリラ豪雨による土壌通気性・透水性の低下、
藻の発生やウェットウィルトに注意が必要です。
光合成の低下を抑え、フルクタン含量を維持します。
・葉身中の窒素レベルを最適化(=5%を超えない)
⇒必要に応じて緩効性液肥クラシック
・葉身中のP・Kを高く保つと、フルクタンが維持され(炭水化物収支の改善)ストレス耐性が強化される
⇒TKOフォスファイト、シェイプアップ等
・マグネシウム・鉄・微量要素など光合成関連要素の補給、サイトカイニン剤(海藻エキス)による
葉の活性維持
⇒ZEN、シェイプアップ、マイナーズ、ユニレイト等
・根活性の低下を抑え根量の維持
⇒TKOフォスファイト、ルートアクト等
・風通し・日当たりの悪いグリーンでは環境を改善する
⇒グリーンキープファン
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炭水化物収支・貯蔵養分(フルクタン)が最低レベルになってきたら、海藻・糖・有機酸・アミノ酸の点滴補給で夏季の落ち込みを最小限に保ちます。
⇒ZEN・アミノレスキュー・マイナーズ・ルートアクト
病害対策は予防を基本にして、ストレスガード製剤を活用します。
・TG殺菌剤プログラムの活用(ピシウムの混合感染に注意)
・ピシウム剤は数種類の殺菌剤をローテーション使用(炭疽剤はピシウム剤との混用処理)
薬害リスクの低い浸透剤トーナメントレディの少量定期処理で、ドライスポットを予防し土壌表面をさらっと保ちます。乾燥害が問題となる場合には、リゾ・フォースの定期処理をお勧めします。
スキーポンターフ・AW2を定期的に処理して、高温・乾燥に対するベントグラスの抵抗力を高めストレスを軽減します。
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E-mail:support-tg★toyo-green.com
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