ベントグリーンを夏越しさせる9つのSTEP ~ 『STEP 7』

STEP 7 【秋】

「本格回復期」:光合成・生長促進と土壌改善

● ベントグラスの根も葉も適温で生育が旺盛な、
  本格的な秋の時期の対応です。

気象・芝・土壌の状態

・ 根も葉も生育適温、秋の生長が本格化
・ 光合成の回復と呼吸の減少で、炭水化物収支が改善
・ 豊富な炭水化物により、根も旺盛に生育、芽数も増加
・ 貯蔵養分も増加し、安全域に
・ 回復力が高く、強めの更新作業が可能

管理目標= 光合成を上げ、土壌を矯正し、根や分げつを作り、貯蔵養分を蓄積する

いよいよ一番良い時期。 
さあ光合成! 根を作れ! 分げつを作れ! 
そして土壌も更新作業で若返り! 
そのためには、次のような注意点があります。

・新たな根や葉の形成のために窒素などの無機養分が取られて不足し、
 光合成が上がり切らないことがある。
・細胞分裂時には、DNAや細胞膜の生成に大量のリンが必要で、
 この時期は不足しがち。
・カルシウムは細胞壁の重要な材料だが、いったん細胞壁に取り込まれると
 他の部位には転流されないので、新たな細胞が作られる時には、
 新たにカルシウムを補給してやる必要がある。
・夏の間に土壌の透水性・通気性が下がっていることが多く、
 秋の根の生育と光合成、そして翌年の準備のためには、
 更新作業で通気性・透水性を回復させねばならないが、
 実施が早すぎると貯蔵養分が低くて回復に時間がかかる。
・温度の低下とともに、光合成も生長も次第に下がっていく。
・更新作業が遅すぎると、冬までに回復が間に合わず、
 貯蔵養分の貯め込みにも影響する。

管理作業のポイント

充分な施肥による高い光合成能力の維持と新たな組織形成の促進、
タイミングを見極めた更新作業の選択が、ポイントになります。

【ポイント1】 根の活性を生かし、粒状肥料でベース施肥をたっぷりと
・根の活性が高いこの時期は、粒状肥料で大量の養分補給が可能。
 主要な無機養分のベースラインを作ります。

【ポイント2】 光合成は最大に、かつ生育の波は作らない、液肥併用で窒素コントロール
・光合成確保のため、緩効性粒状肥料+液肥で、窒素は年間最大レベルを安定維持
・マグネシウムなど光合成関連成分もしっかり補給

【ポイント3】 新しい組織の形成を、リンとカルシウムでサポート
・細胞分裂に大量に必要なリン、細胞壁を作るのに必要なカルシウムを補う

【ポイント4】 更新作業で、新たな組織の形成を刺激し、土壌を改善
・夏に枯れた葉や根や地表の藻などを除去し、芝草による被覆を促す
・サッチや土壌有機物を除去して通気性・透水性を改善、根と光合成を元気に
・土壌の固結を改善して根の伸長を促進、機械的刺激で分げつ形成を促進

【葉身分析目標値】
・葉身中の無機養分は年間最高レベルを安定維持し、旺盛な光合成と生長を図る。
 (N=4.5~5.5%・P=0.6%以上・K=2.5%以上・Ca=0.3%以上・Mg=0.25%以上) 
・フルクタンは15mg以上で急速増加を目指す。

土壌有機物含量の測定: 
USGAでは有機物5%以上を危険ラインとし、
年間更新面積率20%以上を推奨している。

この時期のおすすめ資材・機材

【グリーン用粒状肥料 ニュートリDG:
 DGベース・DGクイック・DGオータム・DGハイP・DGサマー】
 緩効性窒素MU-techによる安定した窒素肥効と、バランスの良いリン・カリ・微量要素を配合した、分散性粒状肥料

【TNT(Turf Nutrition Tool)プログラム】
 ニュートリDG各品目からの窒素放出曲線を、パソコンで簡単にシミュレーション可能

【緩効性液肥 The クラシック・ K ビルダー】
 緩効性窒素と速効性窒素に各種無機養分をバランスよく含有、スプーンフィーディングで窒素の微調整に

【TKOフォスファイト】
 吸収の良い亜リン酸液肥で、光合成と細胞分裂を促進

【カルシウム液肥 サントーク・リキッドカルシウム】
 吸収の良い有機酸カルシウムで、細胞壁生成に必要なカルシウムを補給、丈夫な芝で病害への抵抗力をアップ

【更新作業機械: 
コアマスター・グレーデンバーチカッター・マレードVコアラ― など】
 土壌の状態(有機物含量や問題の種類と深度)と芝の状態(貯蔵養分レベル)にあわせ、的確な作業を選択

「予測できる・分散する」緩効性粒状肥料、ニュートリDG

わずか0.75mmの粒が、水を吸うと約24,000の微粒子に素早く分散する、新たなテクノロジーの緩効性肥料 。 グリーン用には7品目。

緩効性窒素MU-techからの窒素放出を、専用予測プログラム「TNT」でシミュレーション可能、ベースライン施肥に最適です。

緩効性窒素液肥で、葉身の窒素レベルを微調整

緩効性のメチレンウレアと速効性の窒素成分などを組み合わせた高性能液肥「The クラシック」(18-3-6)と「K ビルダー」(7-2-21)。
窒素などの無機養分を、狙ったレベルにファインチューニング。

カルシウム+キトサン剤サントーク® リキッドカルシウム

吸収の良い有機酸カルシウムに、水溶性キトサンを配合、カルシウムやその他のミネラルの芝草への吸収を促進。
新たな細胞壁の形成にカルシウムが大量に必要になるこの時期、ニュートリDG Kal-tecなどの粒状肥料との併用が効果的です。

土壌と芝の状態に合わせた、更新作業の選択。

仕上がり品質に定評のあるコアマスター、絶大な有機物除去能力を誇るグレーデン・バーチカッター、プレーへの影響が少なく手軽に作業できるマレードVコアラ―など、数多くの更新作業機器の中から、土壌分析と葉身分析に基づいて、最適な組み合わせを選択可能です。
詳しくは弊社技術資料「更新作業の選択」をご参考ください。