ベントグリーンを夏越しさせる9つのSTEP ~ 『STEP 9』

STEP 9 【冬】

「春を待つ」:ストレス耐性と葉色のアップ

● 霜も降りて、冬本番。
  地上部・地下部とも冬季の休眠に入った状態です

気象・芝・土壌の状態

・ 温度が低く、雨が少なく、蒸発散量も少ない
・ 葉は光合成もほとんど止まり、呼吸も最低限
・ 地上部・地下部共に伸長生長もストップ
・ 貯蔵養分量は年間ピーク(早春の動き出しまで)
・ 低温・乾燥ストレス、強光障害、アントシアン斑に注意

管理目標=冬のストレスに耐えながら、春の芽出しに備える

しかし、寒くて芝が動かないこの時期、次のような問題を見過ごしがちです
・低温や乾燥など冬季のストレスで芝草が弱る。
・光合成や代謝が低温で落ちているので、肥料への反応が悪い。
 機械的損傷からの回復力も無い。強光障害が起こりうる。
・低温による葉の緑色の低下やアントシアン斑が生ずる
・土壌有機物が蓄積して透水性が低下していたり、
 土壌撥水性が発生していることがあるが、
 雨が少なく蒸散量も少ないので気が付きにくい。 
 これを放置すると、早春の発根などに悪影響する

管理作業のポイント

見過ごされがちなダメージからベントグラスを守り、葉色など冬季のパッティングクオリティも確保しながら、
翌春のスタートダッシュに備えることが、この時期のポイントになります。

【ポイント1】 カリウムで低温ストレス・乾燥ストレス耐性・炭水化物代謝を上げる
・カリウム含有液肥の葉面散布で、気孔制御や炭水化物代謝を確保
・炭水化物代謝を確保してフルクタンが高いほど、耐寒性・耐凍性も上がる
・代謝のアップには、アミノ酸・ビタミン含有資材も併用

【ポイント2】 葉身中の鉄を確保する
・冬にベント葉身中の鉄が増えるのは、チトクロームなどによる
 強光障害回避に役立っているのではないかと考えられている

【ポイント3】 亜リン酸の大量投与でアントシアン生成を軽減する
・秋~冬の亜リン酸液肥でアントシアン生成が軽減、
 春の発根も改善されることが知られている。

【ポイント4】 土壌のサッチや有機物を、低温型分解菌で分解する
・土壌微生物の多くは高温型なので、冬には有機物分解が落ちる
・低温でも有機物分解能力の高い微生物を与え、有機物を減らす

【ポイント5】 透水不良やドライスポットへの対処
・低温期には気付きにくいドライスポットを見つけ出し、浸透剤処理で対処する。
・土壌透水性や撥水性の簡単な調査で、問題を発見できる

【葉身分析目標値】
・刈草を数面集めてでも葉身分析を継続し、フルクタンが十分に蓄積されていること、
葉身中のP(0.4%~)・K(2.0%~)・Fe(0.05%~)が確保されていることを確認する。

この時期のおすすめ資材・機材

【高カリウム+亜リン酸配合液肥 TKOフォスファイト】
 0-29-26 の高カリウム配合と亜リン酸で、冬のストレスと闘い、葉色を改善

【吸収能力の落ちた冬季の鉄の補給に ユニレイトFe】
 吸収の良いキレート鉄で、耐寒性アップ ・強光障害回避・葉色のアップ

【低温期の代謝を補助 Foltec The ZEN】
 ビタミン類などの抗酸化物質とアミノ酸・鉄などが、冬の代謝をサポート

【低温型サッチ分解剤 分解くんCF-1】
 通常の微生物の活性が落ちる低温期にも、サッチ・有機物を穏やかに分解

【強力な効き目が長続き 土壌浸透剤TILWA】
 低温期の処理で土壌撥水性をしっかり治療、春の発根に備えます

【土壌の透水性・撥水性をチェック 現場調査】
 簡単な調査で、透水性の低下やドライスポットを確認

現場作業にやや余裕があるこの時期に、土壌透水性の低下や隠れドライスポットを発見し、本格的な春の生育シーズンの前に対処しておく。

高カリウム+亜リン酸液肥 TKOフォスファイト

ストレス耐性を高めるカリウムと、
吸収の良い亜リン酸を、
使いやすく調合

・0-29-26 の高カリウム配合
・リンの全量が、効果の高い亜リン酸
・水溶性が高く、吸収が良い
・根量の増大
・緑色の改善・アントシアン抑制
・使いやすいpH5~5.5
・酸性・中性・アルカリ性の資材との 混合が可能
・90cc/㎡までの高濃度少水量散布 にも適合

吸収の良いキレート鉄を配合 ユニレイトFe

信頼のロングセラー
ストレス時のベントグラスにも安全

・吸収しやすいキレート鉄 13.2%
・根の活性低下による葉の黄化に
・夏の高温による根の活性低下時
・冬の低温による根の活性低下時
・梅雨の土壌酸欠による根の活性低下時

低温型サッチ分解菌がサッチ・有機物を穏やかに分解 分解くん CF-1

グリーン専用サッチ分解剤

・低温活性菌 Penicillium sp. CF-1(最適10℃・増殖可能5~30℃)を超高密度配合
・菌が土壌へ定着し、低温期にサッチや有機物を穏やかにしっかり分解
・高温時の爆発的分解による軟弱化の恐れがありません
・芝生育期の急激な窒素放出が無く、グリーンの葉が暴れません
・リン酸溶解能で、土壌に固定されたリン酸を可給化します
・タンク車やスプレーヤーで散布可能な微粉状水和剤

強力な効き目が長続き 土壌浸透剤 TILWA

冬の処理で土壌撥水性をしっかり治療、春の発根に備えます。  
(写真:TILWA 2.5cc/㎡、12月~3月・月2回処理での春の状況
 左=無処理、右=TILWA処理)