ベントグリーン管理とおすすめ資材〈7月〉
九州~東海の西日本地方では平年より3週間も早い梅雨入りでしたが、北陸や関東甲信地方では平年よりやや遅い梅雨入りとなりました。梅雨入りこそ東西で1ヶ月の開きがありましたが、ここまでは雨も多くなく本番前の様相でしたが、7月を前に本格的な梅雨空となってきました。
ベントグラス管理の目標
6月と同様、「貯蔵養分フルクタンの含有量及び根圏の活性を保持しながら、夏のストレスへの備えを進める」が管理の目標となります。
ベントグラス管理の注意点
本格的な梅雨空となり、ベントグラスの貯蔵養分
(フルクタン)の減少(消費)が加速します。
・土壌中のサッチ分解由来の窒素が水に溶け、吸収しやすくなる
⇒葉身中の窒素増加
・葉身中の窒素増加は、フルクタンの消費を刺激します
・フルクタン消費の増加と低日射で、軟弱徒長が助長される
⇒刈草量の増加
⇒刈草量の増加と、光合成の低下・呼吸の増大
(=炭水化物の欠乏)、フルクタンが減少。
炭水化物の欠乏・土壌物理性の悪化に伴い、根の活性が低下します。
・フルクタンの減少
⇒根の活性回復を遅らせる
・サッチの増加(透水性の低下)と降雨による土壌過湿(土壌酸欠)
⇒根の活性低下を促進
根の活性低下でカリウムの吸収が低下し(体内のカリウム不足)、ストレスに弱くなります。
低日射と雨で芝が軟弱化し、病気にかかり易くなります。
貯蔵養分フルクタンの減少を抑え、本格的な夏に向けてフルクタン含量を維持します。
・葉身中の窒素含量は5%を超えないように
⇒必要に応じて緩効性液肥クラシック
・ミネラル成分の施用で、葉身中の窒素/ミネラル比を低くする(N/K比は2.0以下)
⇒TKOフォスファイト、ニュートリDG Kプラス、シェイプアップ、リキッドカルシウム等の施用で
葉身中のミネラル含量(特にリン・カリウム)を高める。
・抑制剤をうまく利用して、刈草量の増加を抑える
⇒グリーンフィールド
※弊社葉身分析の結果より
根の活性低下を抑え、肥料成分や水分の吸収力を保持します。
・根の活性を高める資材の施用
⇒ルートアクト、マイナーズ
・土壌の物理性(透水・通気)を改善
⇒適切な更新作業・目土(PCドレーン工法等)
・ドライスポットの改善、過剰な水分の排出
⇒トーナメントレディ
・葉身中のカリウム含量を高く(窒素/カリウム比を低く)して根への転流を確保
葉身中のリン・カリウム・マグネシウム含量を高め、低日照による光合成の低下を抑えます。
⇒TKOフォスファイト、ニュートリDG Kプラス、シェイプアップ
藻類や病害対策は予防を基本とします。
・TG殺菌剤プログラムの活用(黄化斑対策にも→コラム参照)
・ピシウム剤は数種類の殺菌剤をローテーション使用(炭疽剤はピシウム剤との混用処理)
製品についてはメールでお問い合わせください。
※弊社では一般のお客様への直接販売は行っておりません。
恐れ入りますが購入店舗さま等にお問い合わせください。
E-mail:support-tg★toyo-green.com
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